今鏡 日本文学叢書本 総ひらがな版 更新日 2007.01.25.木

凡例

底本: 文学博士 物集高見 監修 文学士 物集高量 編著 『新釈 日本文学叢書第八巻 「今鏡 増鏡」』

大正十二年二月五日 発行

全十二巻 非売品

著作者 物集高量

発行所 日本文学叢書刊行会

 

基本的に底本の読みに従っていますが、一部訂正しております。

漢文は、原文のみで、振り仮名がありませんが、読み下しと総ひらがなを併記しました。

歌の頭に@を付し、末尾にW+新編国歌大観番号を付しました。

ページを記しました。P+3桁

原本通りに改行しました。

各章段の頭には、原本に無い番号を加えました。S+巻数(2桁)+章段(2桁)

脱字等を他本で補った場合は、〔 〕に入れました。

 

今鏡 日本文学叢書 総ひらがな版巻1をJ−TEXTにて公開しました。 『今鏡』巻一 2006.12.28.木

 

もくじ

いまかがみ

すべらぎのじやう だいいちいち

くもゐ ねのひ はつはる ほしあひ もちづき きくのえん こがねのみのり つかさめし 

すべらぎのちう だいに

たむけ みのりのし もみぢのおんかり つりせぬうら たまづさ ところどころのみてら しらかはのはなのえん とばのおんが はるのしらべ やへのしほぢ 

すべらぎのげ だいさん

をとこやま むしのね おほうちわたり うちのえん をとめのすがた ひなのわかれ はなぞののにほひ ふたばのまつ 

ふぢなみのじやう だいし

ふぢなみ むめのにほひ ふしみのくものあした くものかへし しらかはのわたり はちすのつゆ おののみゆき うすはなざくら なみのうへのさかづき うぢのかはせ 

ふぢなみのちう だいこ

みかさのまつ きくのつゆ ふぢのはつはな はまちどり つかひあはせ かざりたち こけのころも はなのやま みづぐき ふるさとのはなのいろ 

ふぢなみのげ だいろく

ゑあはせのうた からひとのあそび たびねのとこ ゆみのね かりがね ますみのかげ たけのよ むめのこのもと はなちるにはのおも みやぎの しがのみそぎ 

むらかみのげんじ だいしち

うたたね ほりかはのながれ ゆめのかよひぢ ねあはせ ありすがは むらさきのゆかり にゐまくら むさしののくさ もしほのけぶり 

みこたち だいはち

げんじのみやすどころ はなのあるじ ふししば つきのかくるるやまのは はらはらのみこ 

むかしがたり だいく

あしたづ いのるしるし からうた まことのみち かしこきみちみち 

うちぎき だいじふ

しきしまのうちぎき ならのみよ つくりものがたりのゆくへ

 

以下、予告です。

P036

 第二 すべらぎの中 だいに すべらぎのちう

S0201 たむけ

このみかど、よをしらせたまひてのち、よのなかみなおさまりて、いまにいたるまで、その

なごりにはべる。たけきみこころにおはしましながら、またなさけおほくぞおはしまし

ける。いはしみづのはうじやうゑに、かみさいしやうしよゑのすけなどたてさせたまふことも、

このおんときよりはじまり、ほとけのみちも、さまざまそれよりぞ、まことしきみちは、おこれること

おほくはへなる。ゑんそうじのにゑのかうしおかせたまひて、やまみゐでらのざえたかきそう

など、くらゐたかくのぼり、ふかきみちもひろまりはべるなり。またひえのみゆきはじめてせさせ

たまひて、ほけきやうおもくあがめさせたまふ。かのみちひろまるところを、おもくせさせ

たまふことは、まことにみのりをもてなさせたまふにこそはべなれ。ひえのみやうじんは、

ほけきやうまもりたまふかみにおはします。ふかきみのりをまもりたまふかみにおはすれば、

うごきなくまもりたまはむがために、よのなかのひとをもひろくめぐみ。しるしをもきはめほどこし

037

たまふなるべし。いはしみづのみゆき、はじめてせさせたまひけるに、ものみぐるまども

の、かなものうちたるをごらんじて、みこしとどめさせたまひて、ぬかせたまひける、

おんめのとのくるまより、いかでかわがきみのみゆきに、このくるまばかりはゆるされはべら

ざらむときこえければ、このよしをやそうしけむ。そればかりぞ、ぬかれはべら

ざりけるとかや。かものみゆきには、かなものぬきたるあとあるくるまどもぞ、たちならび

てはべりける。だいごくでん、さきのみかどのおんとき、くわじはべりしのち、じふねんすぐる

まではべりしに、くらゐにつかせたまひて、いつしかつくりはじめさせたまひて、よとせ

といふに、つくりたてさせたまひにしかば、わたらせたまひて、よろこびのしなど

つくられはべりけり。よろづのことむかしにもはぢず、おこなはせたまひて、やまのあらし、えだ

もならさぬみよなれば、くもゐにて。ちとせをもすぐさせたまふべかりしを。よのなか

さだまりて、こころやすくやおぼしめしけむ。またたかきくものうへにて、よのこともおぼつかなく、

ふかきみやのなかは、よをおさめたまふも、わづらひおほく、いますこし、おりゐのみかど

とて、みこころのままにとやおぼしめしけむ。くらゐにおはしますことよとせありて、

しらかはのみかど、とうぐうにおはしまししに、ゆづりまうさせたまひき。おんははにようゐん、おんむすめ

038

のいつぽんのみやなど、ぐしたてまつらせたまひて、すみのえにまうでさせたまふとて、

 

@ すみよしのかみもうれしとおもふらむむなしきふねをさしてきたれば W019

とよませたまへる。みかどのおんうたとおぼえて、いとおもしろくもきこえはべるぎよせいなる

べし。おりゐのみかどにて、ひさしくもおはしまさば、いかばかりめでたくもはべる

べかりしに、つぎのとしかくれさせたまひにし、よのくちをしきとはまうせども、

くらゐのおんとき、よろづしたためおかせたまひて、とうぐうにくらゐゆづりまうさせたまひて、かくれさせ

たまひぬれば、いまはかくてと。おぼしけるなるべし。あるひとのゆめに、ことくにの

そこなはれたるをなほさむとて、このくにをばさらせたまふと、みたることもはべり

けり。またさがによをのがれて、こもりゐたるひとのゆめに、がくのこゑそらにきこえて、

むらさきのくもたなびきたりけるを、なにごとぞとたづねければ、ゐんのほとけのみくににうまれ

させたまふとみたりけるに、ゐんかくれさせたまひぬと、よのなかにきこえける

にぞ、まさしきゆめと。たのみはべりけるとなむ。

 

039

S0202 みのりのし

S0203 もみぢのみかり

S0204 つりせぬうらうら

S0205 たまづさ

S0206 ところどころのみてら

S0207 しらかはのはなのえん

S0208 とばのおんが

S0209 はるのしらべ

S0210 やへのしほぢ

もとのにようゐんふたところも、かたがたにかろからぬさまにおはしますに、いまのによういゐんときめかせたまひて、このゑのみかどうみたてまつらせたまへる、とうぐうにたてまつりて、くらゐゆづりたてまつら

P072

せたまふ。そのひたつのときより、

(中略)

ひとにおはすめり。

P075

 第三 すべらぎの下

S0301 をとこやま

とばのみかどみくらいのおんときより、まゐりたまへりしきさきは、みこたちあまたうみたてまつりて、

 

 

以下順次追加していきます。

 

 

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